猛暑大国ニッポンでは、もはや北向きの物件にメリットあり?
進学や就職なども決まり、物件探しを始める方も多いと思います。
毎日過ごす家だからこそ、物件探しには慎重になりますよね。
南向きの物件が良いとされる理由
風水などの「家相」で良いと言われている
風水学では東や南東向きのリビングの方が良いとされています。
これは「家相」と呼ばれ、方角と間取りの組み合わせによって運気の上下を考える方法です。
実はこの「家相」、元々は平安時代に中国から伝わってきたもので、その後、日本の文化を取り入れて独自に発展してきました。
これは、環境学と言う学問の1つなのです。
この「家相」が、日本の文化や気候、間取りに合わせて発展し、利用され始めたのは江戸時代です。
その後、日本では物件の良し悪しを決める判断材料として、今日でも定着化しています。
日当たりが良い
1日を通して日当たりが良く、明るい部屋で1日を始める朝は、心身ともに明るい気分になります。
また、洗濯物がよく乾き、布団を干したり植物を育てるのには、やはり日当たりの良い南東向きのベランダが良いでしょう。
時代の変化と共に変わる住居
昔のように、建てたい場所に、建てたい広さの住居を構えられる地域は限られています。
マンションや住宅地など、決められた場所や広さに、決められた間取りの住居を選択することに、もはや私たちは何の抵抗も感じません。
もちろん、風水や方角を考慮して物件探しをする人もいます。
信じるか信じないかは、個人の判断なので、自身の納得のいく物件を選ぶことが一番ですよね。
問題なのは命に係わる猛暑
気象庁が2019年7月に発表した「気候変動監視レポート」によると、日本の猛暑日(日最高気温35℃以上)の日数は、明らかに右肩上がりに増えていることがわかります。
また、国土交通省が2018年に発表した「 気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018 ~日本の気候変動とその影響~ 」では、世界よりも早いペースで、気温が上昇しており、今後も日本の気温は上昇していくと予測されています。
猛暑の日々…南の部屋ではエアコンが命
30℃以上の真夏日、または35℃以上の猛暑日。
南東向きの部屋では、窓の開閉、風の有無に関わらず、エアコンがないと熱中症の危険に襲われます。
「エアコンは体に悪い」
そう言って我慢して、熱中症で搬送された人が年々増加しています。
総務省消防庁が発表した資料によると、2019年熱中症で救急搬送された人員の、発生場所別の割合を見ると、住居が一番多く38.6%を占めています。
暑さからくる、体のだるさやのどの渇き、めまいなどを感じたら、室内や気温に関わらず、エアコンを使用しましょう。
夏の高額な電気代に悲鳴…しかし?
みなさん、今年は何日エアコンをつけましたか?
真夜中や朝方でも気温が下がりにくい都市部では、在宅中にエアコンを消すタイミングは無かったと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
家族構成、立地条件にもよりますが、実は、電気代は冬の方が高くなるという結果が出ているのです。
冬の暖房器具はエアコンやガスファンヒーター、床暖房など様々です。
しかし、日照時間が短いことにより、照明をつけている時間が長いことや、こたつやホットカーペットを併用していることも、冬の電気代が高くなる理由の1つです。
地域によっては灯油ファンヒーターを使う家庭もあり、その場合は電気代は安くなります。
それでも、電力会社が節電を呼びかけるのは夏なのです。
私は、冬は暖房器具を使用するためのエネルギーが、電気だけではなく、灯油やガスに分散されるため、電気代の負担を軽く感じるのではないかと考えます。
おそらく、光熱費としてのくくりであれば、冬の方が支出は大きいと言えます。
冬の寒さは我慢できても…
地域にもよりますが、極寒の地域を除き、室内にいる状態で、寒さによる命の危険を感じることは少ないです。
衣服を着こんだり、布団の中に潜りこんでしまえば、日本の冬は我慢できる人の方が多いでしょう。
無理してまで、暖房をつけずに過ごす必要はありませんが、夏のようにエアコンを使わなくても、命の危険にさらされることはありません。
しかし、猛暑日はエアコンを我慢することで命の危険にさらされます。
これからの日本には北向きの物件にメリットあり?
北向き物件のメリット
南に比べて涼しい
夏の暑い日でも、北にある部屋は涼しいと感じることはありませんか?
1日中日差しが降り注ぐ南の部屋は、日が落ちてからも、蓄熱した状態が続くため、室内温度が下がりにくいです。
しかし、北の部屋は日差しこそ届かず暗く感じますが、涼しく過ごせることは確かです。
夏の間だけ、北の涼しい部屋に移動して寝る人も、中にはおられるのではないでしょうか?
家賃が安い
北向きの物件は、南向きの物件に比べて家賃が安く設定されています。
確かに日当たりが悪く、暗い部屋に感じます。
しかし、都市部では南向きの物件であろうと、すぐ近くに建物があったり、目の前が通りに面していて、結局カーテンを開けずに過ごしていることを考えれば、あまり大差はないように感じます。
また、家で過ごす時間が少ない人にとっては、部屋でゆっくりとくつろぐのは、帰宅した夜間だけという人にも、あまり関係ないのかもしれませんね。
家賃は安い、夏の電気代は抑えられる!ネックは、冬の光熱費。
夏は南向きの物件に比べ、部屋が涼しいので、電気代を抑えることができます。
おまけに、家賃は安くて済むのです。
しかし、気になるのは冬の光熱費です。
北の部屋は、夏は涼しいという反面、冬は寒いので、南向きの物件に比べて、暖房器具を使用した分、光熱費は高くなります。
しかし、先に挙げたように夏の暑さは我慢すると危険ですが、冬の寒さは命を脅かすほどではありません。
また、南向きの物件と北向きの物件の家賃の差が大きい場合であれば、光熱費の高さと比較し、南向きの物件と比べて、年間支出が大きく下がることも考えられます。
北向きの物件もぜひ候補に!
北向きの物件は、ファミリーや高齢者がいる家庭には確かに不向きではあります。
しかし、学校とバイトで夜しか部屋にいない学生さんや、最寄りの駅まで、とにかく近くて通勤にあまり時間をかけたくないけど、家賃が高いのは負担になるとお考えの単身者のビジネスパーソンの方、ぜひ北向きの物件も候補に入れてみてはいかがですか?
地域やその人のライフスタイルにもよりますが、もはや猛暑大国となった日本では、今後、北向きの物件にもメリットがあると思います。
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